カテゴリー「源氏物語千年紀特別企画」の記事

源氏物語千年紀展始まる

4月26日から京都文化博物館で「源氏物語千年紀展」が始まった。紫式部日記絵巻や源氏物語の大島本、土佐光信の源氏物語画帖、大和和紀の「あさきゆめみし」カラー原画など160点が展示される。会期は6月8日まで。

もちろん、私も行く予定。途中、大幅な展示の入替があるそうなので、チケットは2枚確保した。どんな展示が見られるかワクワクする。その結果はまた、本ブログにてご報告したいと思う。

http://www.bunpaku.or.jp/exhi_special.html

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京都人形三昧その2 辻村寿三郎 新作人形展〜平成アールデコ〜

Jusaburo

人形の魅力というのは、どこにあるのだろう。きれい、かわいい、美しい…。そんなありきたりな言葉では言い表せないものを人形は持っているように思う。例えば、精緻な技で作られたひな人形や日本人形は美しい。でも、人形と真正面から対峙すると、時に薄ら寒く感じるのはなぜだろう。市松人形のつぶらな瞳、赤い唇。だけど、だけど可愛らしい顔の向こうに得体のしれない不気味さを感じるのは私だけではないだろう。

そんな人形のデーモニッシュな魅力を最大限に生かした作家が現代の人形師、辻村寿三郎氏だろう。氏の人形は様々な表情を持つ。妖艶な人形、何かを語りかけるかのような、ドラマチックな表情の作品、そして愛らしいうさぎたち。だけど、少しずつ不気味さを抱えている。それが魅力となって見る人を惹きつける。

京都高島屋グランドホールでは「辻村寿三郎 新作人形展〜平成アールデコ〜」を開催中だ。新作人形展とあるが、意外に旧作も多い。久々の邂逅に、懐かしく思える人形もある。例えば、南総里見八犬伝の伏姫や八房(伏姫を見ると、「あいーん」といいたくなるのは内緒だ)。そして大蛇が象徴的なオロチなど。そのほか阿蘭陀異聞のシリーズや西鶴五人女、南北五人女、十二星座などの展示も。

うれしかったのは創作人形ドラマ「源氏絵巻縁起」の展示。源氏物語を辻村流にアレンジした作品で、宮中でひどいいじめにあった桐壺更衣はとうとう気が触れてしまうという哀れなストーリー。

ジャポニカや平成アールデコのシリーズは妖艶でスレンダーな美女たちの競演だ。瞳のないまなざしは底知れぬ魅力と魔力をたたえている。それにしても人形なのに何と色っぽいのだろう。もし私が男なら、人形と間違いを犯してしまうかもしれない。乱歩の「押絵と旅する男」の世界。そういえば、辻村氏は押し絵と旅する男を人形芝居にしている。今回、会場ではそのビデオが流されていた。また、小さなステージでは平成アールデコのライブも。

今回、人形たちをじっくりとそばで見て感じたのがその衣装や顔、頭の細やかな仕事。人形の衣装には明治から昭和にかけての古裂を使用しているという。それが見事に人形とそのストーリーにマッチした衣装に生まれ変わっている。洋装の人形ではスパンコールやビーズ、レースなどを多用、実にゴージャスだ。

そんなところまでじっくり見ていくと、小規模な展示ながら1時間半はかかる。見終わったあとには疲れに似た充足感が残った。久々の辻村寿三郎を思いきり堪能できる展示だった。

なお、会期は月24日まで。22日、23日は辻村寿三郎氏本人が来場、サイン会も行われる。いまならきものでの来場者は無料。夕方6時以降はトワイライトサービスで入場料半額。

■辻村寿三郎公式ホームページ
■京都高島屋

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「源氏かおり抄の世界」展 〜香りで綴る源氏物語〜

Sugimotoke

源氏物語と香りは切っても切り離せない関係にある。物語の随所で香りは大きな役割を果たす。夜の闇がいまよりも濃かった時代、人々は香りで人を区別していたのかもしれない。例えば、空蝉は自分の寝所に忍んできた人物を、香りで光源氏と判断したわけだし、光源氏は膝行りでてきた末摘花の香りに「さすがは高貴の姫君」と納得している。

また、物語では香りの使い方でその人物や集団の性格を表現している部分もある。例えば「花宴」の巻では、薫き物が煙いほどにたかれていて、女たちが衣擦れの音をさせながら起ち居する右大臣邸の様子を「奥まりたるけはひたちおくれ、今めかしきことを好みたる」と批判的に描いている。「鈴虫」の女三の宮の持仏開眼供養の場面でも同様のことが描かれている。

香りへのこだわりは「梅枝」の巻にもよくあらわれている。ここでは薫き物合わせの様子から、その種類まで書かれており、平安時代の香りを知るよすがとなっている。そして極めつけは自分自身がかぐわしい香りを放つ、薫と薫に対抗してよいお香を焚きしめている匂宮の二人。この二人は光源氏のように「光る」ほど美しくはないけれど、香ったり、匂ったりする程度には美しいのである。

そのほかにも香りが登場するシーンは数多い。ことほど左様に源氏物語と香りは切り離すことのできないものなのである。

その源氏物語五十四帖の世界を、様々な香りや形で表現したのが「源氏かおり抄の世界」展〜香りで綴る源氏物語〜。お香の老舗「松栄堂」が源氏物語千年紀を記念して開催しているもの。各帖を香りやその使い方、容器などで表現する。例えば、花宴であれば、桜模様の匂い箱に香を入れる、須磨であれば海の風物を描いた貝桶に貝の形の匂い袋を入れるといった感じ。と書いてもとても伝わりにくいと思う。これはぜひ現地で見ていただきたい。

会場は築100年を超える町家「杉本家住宅」。室内にはほのかな薫き物の香りが漂う。あるかないかのかすかな香りは、オープンな作りの日本家屋だから似合うのかもしれない。機密性の高いマンションでは、加減を間違えると右大臣家のようになってしまうだろう。展示のほか、聞香も体験できる。やわらかな伽羅の香りは奥ゆかしさに満ちている。

もちろん、会場の住宅そのものにも目を向けてほしい。これは伝統的な町家として京都指定の有形文化財にもなっている。どっしりと黒光りする柱、苔むした庭、荘厳な仏間、どこを見ても堂々たる風格が漂う。杉本家は呉服商奈良屋を営んでいた。そのため、入り口を入った左右には店の間がふたつ向かい合っている。今回展示に使われた座敷は12室。どこまで部屋が続いているのかと思うぐらい広い家屋だ。さらにその奥には、今回は公開されていない土蔵や漬物小屋もある。おくどさんのある台所は一間幅で十二畳分。太い梁や柱に目を見張る。また、同家は祇園祭の際、伯牙山のお飾り場として店の間に屏風や祭りに使われる懸装品が飾られる。京の町衆の伝統を伝える京町家なのである。

源氏物語を香りで表現する展示や聞香体験も目新しく、楽しいものだが、風格漂う京町家の内部を目にすることは少なく、貴重なチャンスだ。開催は3月23日まで。残りあと2日だが、もし機会があれば足を運んでほしい。

■松栄堂 
■杉本家住宅 

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嵐電 「紫のゆかりちゃん号」

何しろ千年に一度のことである。普段人に乗られている電車だって、たまにはイベントに乗っかりたいのだ。

京福電気鉄道嵐山線、通称「嵐電」は京都の住宅の間をゴトゴトと抜けていくローカル線だ。四条大宮〜嵐山間を約22分で結ぶ。1両編成(ラッシュ時はさすがに2両だったりする)の可愛らしい列車は商店街の脇を走り、蚕ノ社や太秦の広隆寺のそばを通って嵐山駅に着く。ちょっぴり時代に乗り遅れたような列車が何となく愛しくて、私はこの路線が好きだ。

この嵐電に今年1月から登場したのが「紫のゆかりちゃん号」。源氏物語千年紀にちなんだラッピング列車。車両には源氏物語各巻の屏風絵が描かれている。これは嵐電が出している「源氏物語千年紀 プレミアム乗車券」と同じ絵柄。

Yukarichan


乗車券にはなっていない「賢木」や「葵」「花散里」「蛍」なども描かれ、目を楽しませてくれる。乗車券で見るより大きい分、はるかに見応えがあって美しい。特に月と松をバックに光源氏と明石の君が寄り添う「明石」は波の音が聞こえてくるようで、印象的だ。

Akashi

車内も中吊りや広告スペースはすべて源氏物語屏風絵が掲出され、まさに源氏物語一色。ていねいなことに、つり革も紫で「源氏物語千年紀」のロゴが。源氏物語ファンとしてはかなりうれしい列車だ。22分間、源氏物語の世界に思いをはせながら、小さな旅が楽しめた。

Yukarichanshanai
なお、運行時刻はご確認を。
京福電気鉄道

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源氏物語千年紀委員会 毎週プレゼントが!

先ごろリニューアルした源氏物語千年紀委員会のウェブサイト。ここでは「光る源氏の玉手箱」として毎週プレゼントが当たる懸賞を実施している。

ただいまの目玉はフランスで発行された源氏物語の豪華本「Le Dit du Genji」。こちらは5月7日までの応募者の中から1名に。フランスのAmazonで割り引き後の価格が456ユーロという高額書籍だ。1ユーロが158円程度として、日本円で約72000円。これは当たればとてもうれしい。

そのほか純金カレンダーや嵐電のプレミアム乗車券などは毎週当たる。事務局の方によれば、まだ、いまなら当たる確率が高いそうだ。あなたも運試し、いかがだろう。

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源氏物語千年紀委員会ウェブサイト リニューアル

このところ、どうも食べ物ネタにばかり偏っていたので、今回は源氏物語千年紀の話題を。

「源氏物語千年紀」にあたり、京都では「源氏物語千年紀委員会」が組織され、様々な活動を行っている。当然ウェブサイトも開設され、源氏物語千年紀の告知やイベントのお知らせ、報告などに使われてきた。

このサイトが1月25日、大幅にリニューアル。源氏物語を知っている人も、知らない人も楽しめる内容になった。

おもしろいのは「登場人物人気投票」。源氏物語に登場する17人の女性たちの人気投票だ。現在のところ、紫の上がダントツで人気。2位はかなり離されて朧月夜。このあたりはまあ予想通りだが、意外にも葵の上が3位につけている。光源氏にはあまり愛されず、物語中歌も詠まず、六条御息所の生き霊に取り殺されてしまう気の毒なヒロインだが、意外な人気に驚いた。

それに続くのが彼女を取り殺した六条御息所。この人のほうが人気があると思っていたのだけど、これは意外。といっても、投票は3月末まで。まだまだ続くので結果はわからない。ちなみに私は朧月夜が結構好きだ。育ちがよくてインテリジェンスもあるのにかわいい女性。心の赴くままに光源氏と愛し合い、一方で朱雀帝の愛に悩む姿は、意外に現代女性に通じるところがあるように思う。弘徽殿大后の気の強さを少しだけ継いでいるところも、現代的な気質を感じさせる一因かもしれない。彼女の姿は「遊ぶ」の「源氏るライフのおすすめ」にある「平安王朝ジグソーパズル」で見ることができる。

お勉強コンテンツでは源氏物語の世界やショートストーリー、登場人物の解説なども。「集う」のコーナーでは写真やアイデアを募集するそうだが、初回は「集まれ!全国の光源氏」コンテストを予定しているそうだ。我こそは!という方、ぜひご応募を。

源氏物語千年紀委員会

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源氏物語千年紀 嵐電記念プレミアム乗車券

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いよいよ源氏物語千年紀の年が明け、記念イベントや記念商品なども続々と登場するようになった。京福電気鉄道嵐山線、通称「嵐電」では、源氏物語千年紀を記念し「嵐電記念プレミアム乗車券」を発売している。

というわけで、先日嵐電に乗る機会があったので、その際、記念乗車券を1500円で購入した。四条大宮から嵐山方面へ、路面や住宅の間をゴトゴト走る嵐電は1両か2両編成のローカル線だが、ほのぼのするような風情があって好きだ。途中にはまるで無人の駅などもあり、昭和の匂いが漂っている。いま、毎時00分と33分には源氏物語千年紀にちなんだ「紫のゆかりちゃん」号が走っているそうだ。今回は残念ながら見かけなかったが、いずれは乗車してみたい。


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それはさておき、記念乗車券である。今回発売されたのは源氏物語屏風絵五十四帖シリーズの内、桐壺、帚木、空蝉、夕顔、若紫、末摘花の6帖。デフラサーモという特殊印刷が使われ、絵のところどころがキラキラと光ってとてもきれいだ。桐壺では宮中の様子が描かれ、帚木では元服した源氏の様子、空蝉では碁を打つ空蝉と軒端荻の姿、若紫では雀の子が逃げるシーン、末摘花では光源氏と頭中将が末摘花邸の前で鉢合わせするところ。


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色鮮やかで華やかな絵は見ていて飽きないのだけど、どうも夕顔のシーンが納得いかない。光源氏らしき男性と、紅い女房装束の女性が簀の子を歩いている。簀の子というのは寝殿や対の屋の周囲に巡らされた濡れ縁のことだ。庭では女童が夕顔とおぼしき白い花を摘んでいる。

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こんなシーン、あったっけ。もし、女童が登場する夕顔の場面なら、玄関から出てきて扇を手渡すはずだし、光源氏が簀の子を歩いているはずがない。そう考えるとこれは、六条御息所邸の朝顔のシーンのようだけど、それなら花を手折るのは可愛らしい男童でなければいけない。いずれにせよ、何だか変なのだ。う〜ん。


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それともう一つ、これは記念乗車券なので、嵐電に乗車することもできる。1枚目は1日フリー切符。嵐電の乗降が自由にでき、乗車後は切符を持ち帰ることができる。そのほかの5枚は普通の乗車券。下車後は切符が回収されてしまう。ということは使うと手元に残らないじゃないか。というわけで、私はこれを使わず、手元に置いておくことにする。

なお、今後もこれはシリーズとして販売するそうだ。54帖全部集めるかどうかは、まだ決めていない。さて、どうしようか。

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源氏物語千年紀 プレイベント 華麗なる源氏物語の世界〜序章〜

11月1日、京都市の京都会館第2ホールで「源氏物語千年紀プレイベント 華麗なる源氏物語の世界〜序章〜」が開催された。

プログラムは、能楽金剛流二十六世宗家の金剛永謹(ひさのり)さんによる舞囃子「源氏供養」に始まり、様々なプログラムが披露された。メインプログラムは源氏物語千年紀委員会呼びかけ人でもあるドナルド・キーン氏の講演「源氏物語と私」。講演会の詳細は関西インターネットプレスに掲載しているので、そちらをご覧ください。

今回のイベントは来年11月1日の源氏物語千年紀に向けた1年のスタートとなる大きなイベントで、参加者も千人を数える大盛況。ドナルド・キーン氏のお話など、源氏物語に関心の高い層にとっては、非常に興味深い内容だったと思う。しかし、せっかく千年に一度の年なのだ。源氏物語ファンだけではなく、源氏物語を知らない人、源氏物語に関心の薄い層にも源氏物語千年紀を周知し、源氏物語に興味を持ってもらうための催しが必要ではないだろうか。

ドナルド・キーン氏も講演の中で話していたが、現在の学校教育では源氏物語を文学として鑑賞するのではなく、古文の文法の読解のために教えている。そのため、学生たちは係り結びなど読解にばかり力を入れ、文学として源氏物語を読むことを知らない。大学に合格してしまえば、それっきり源氏物語を手に取らない人がほとんどだ。これでは源氏物語嫌いばかりを増やしているようなものだ。

せっかくの源氏物語千年紀。学校教育の中で源氏物語を現代語訳で読ませたり、原作に忠実な映像を作るなど、源氏物語の裾野を広げる取り組みを期待したい。

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