大雲山 龍安寺
先日、京都を訪れた際、少し時間が空いた。河原町をぶらぶら歩いているとバス停が目に止まった。「来たバスに乗ってみよう」。小さな小さな旅に出ることにした。
やってきたのは京都市内を西に向かうバス。途中に「龍安寺」の文字が。龍安寺は昔よく訪れた、私の好きなお寺だ。最近はあまり訪れる機会がなかったが、久々に龍安寺の石庭を見てみたい、と思った。
龍安寺の石庭を見るのは何年ぶりのことだろう。前に訪れたのがいつだったのか、もう思い出せないぐらい昔のことだけど、室町時代に誕生した庭にとって、そんな時間なんて毛ほどの重みもない。昔のままのたたずまい。あのころと変わったのは龍安寺が世界遺産に登録されたことだけだ。
土曜日の龍安寺は観光客でいっぱいだ。昔に比べると外国人の姿も増えた。それぞれにがやがやとにぎやかだ。だけど、モノトーンの庭は一切の音を感じさせない。庭を見ていると、すべての音が遠ざかっていく。
庭の広さは幅25メートル、奥行き10メートル。白砂を敷き詰め、15個の石が絶妙のバランスで配されている。向こうの油土塀は、白砂の照り返しを和らげる働きをするという。
方丈をぐるりと巡る。北側には豊かな緑の植え込み。「吾唯足知」を刻んだつくばいがある。真ん中の水穴を口の字に見立て、4つの文字がこれをシェアしている。これは徳川光圀の寄進といわれている。ただし、これはレプリカ。本文は普段は公開されていない。

境内はいま、青紅葉の盛りだ。秋の紅葉もすばらしいけど、青紅葉の生命力とすがすがしさに思わず深呼吸したくなる。夏、鏡容池に蓮が咲くころ、もう一度行ってみよう。
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