半兵衛のむし養い
京料理に欠かせない食材として生麩と湯葉がある。いずれも脇役だが、これがなければ何となく京料理らしくない。いくら見た目は京料理らしくても、画竜点睛を欠いているような気がする(大げさだけど)。でも、生麩と湯葉が主役をはるのはあまり見たことがない。どちらかというと、若手の脇をがっちり固める名優の風情だ。
この二つの食材を主役にし、さらにいままでにないアレンジを加えているのが半兵衛の「むし養い」。同店は五条大橋のたもとにある生麩のお店。創業は元禄2年(1689年)。300年以上を数える老舗だ。
むし養いは生麩や京湯葉の味わいを広く知ってもらうために供されているお料理。生麩や湯葉のアレンジの多彩さに驚かされる。
左手前は「湯葉豆腐」。見た目は卵豆腐、味わいは湯葉、豆腐よりもなめらかで口の中でツルリとほどける食感が心地よい。その奥左が生麩のしぐれ煮。まるで牛肉のしぐれ煮のような食感と味わいにびっくり。さらに、焼麩とキュウリの酢の物、生麩田楽、ご飯の隣の生麩は昆布やぎんなんなどが入っている。緑の生麩は山椒の香りが口いっぱいに広がる。柏の葉に包んだのは白みそあんが入った麩まんじゅう。
こちらは汲み上げゆば。やさしい口当たりだ。
湯葉の揚げ物はカリカリの食感が楽しい。
揚げた生麩と湯葉の碗もの。生麩は揚げるとまた食感が変化する。
よもぎ麩の白味噌仕立て。白味噌のやさしい甘さがよもぎ麩の味わいを引き立てる。
店内は思った以上に広く、お庭もきれい。スタッフの応対もていねいで、快かった。次から次へと繰り出される生麩と湯葉のマジックに、楽しい驚きが続く食事だった。
■京都市東山区問屋町通り五条下ル二丁目上人町433
■TEL(075)525-0008 FAX(075)531-0748 フリーダイヤル(0120)49-0008
■http://www.hanbey.co.jp/
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