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源氏物語に見る 王朝貴族の失敗学10 戸締まり用心、男に用心(1)

源氏物語にはたくさんの貴族たちが登場します。光源氏を中心とした皇族関係や、光源氏の妻の左大臣一族、あるいは左大臣の政敵で光源氏の敵でもある右大臣一族など、それぞれ個性豊かに描き分けられています。今回は右大臣一族のお嬢様が登場します。

◆桜と月の美しい夜に

光源氏20歳の春のことです。御所で「花の宴」が催されました。これは春のビッグイベント。桜の下で帝や東宮、後宮のお妃、貴族や役人など多くの人が集まり、歌を詠んだり舞を舞ったりして1日を過ごす催し。帝に自分をアピールするチャンスですから、貴族たちも念入りに漢詩を詠んだり、ちょっと舞いの練習をしておいたり、準備には余念がありません。その中でも光源氏はひときわ輝いて見えます。「春」という漢字を読み込んだ漢詩も人々の賞賛の的。帝に請われて舞を舞えばまた見事。宴は夜遅くまで続きました。

さて、ほんのり酔い心地の光源氏。桜も月も美しい夜です。こんな夜って、ちょっとなまめいた気分になった経験、ありませんか?光源氏は恋しい藤壺にひと目でも会えないかと、御所の藤壺あたりをうろうろしています。もちろん、戸締まりは厳重。蟻の入り込むスキもありません。

向かいに見えるのは弘徽殿。光源氏の母・桐壺いじめの首謀者、弘徽殿の女御の殿舎です。弘徽殿の女御は帝の元に召されているようで、人も少なく戸締まりも不十分でどことなくスキのある雰囲気。酔っぱらいの光源氏は恐いものなし。厚かましく上がり込んで、女房たちの部屋をのぞいて回ります。コラ!

で、ふと見ると向こうから若い女性が「朧月夜に似るものぞなき」と歌いながらやってきます。服装から見ると身分の高い姫君のよう。彼女も宴の余韻冷めやらず、何となく浮かれていたのでしょうか。この姫君を「朧月夜」と呼びます。(明日に続く)

※本稿は関西インターネットプレス(KIP)より転載いたしました。

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