« 源氏物語に見る 王朝貴族の失敗学7 気位の高い妻とうち解けられない夫(2) | トップページ | 源氏物語に見る 王朝貴族の失敗学8 衝撃!超年の差カップル誕生(1) »

英訳でわかる源氏物語の新しさ サイデンステッカー氏死去

源氏物語は、日本文学の最高峰であり、世界的にも誇るべき文学の一つだろう。しかし、原文は難解で、これを読みこなすのは専門家でなければ現代人にはかなり難しい。そのため、これを敬遠してきたひとも多いはずだ。

何人かの文学者のことばで興味深く感じたのが「英訳で読んで、初めて『源氏物語』の新しさを知った」というもの。原文やこれまでの現代語訳では、カビの生えた古典にしか思えなかったものが、英訳という新たな切り口によって、内容の普遍性やストーリー展開のおもしろさに気づいたというのだ。

そういう観点から見ても、源氏物語を完全英訳したサイデンステッカー氏が日本文学に残した業績は大きい。あの膨大で難解な文章を、よく全訳したものだと思う。これによって源氏物語が世界に紹介され、日本文学のレベルの高さを知らしめることになったのだ。なお、源氏物語の英訳は、アーサー・ウェイリー氏の方が先だが、こちらは抄訳であり、欧米人に理解しやすい意訳などもあるので、原作とはかなり印象が違うそうだ。

サイデンステッカー氏は米海軍で日本語を学んだあと、海軍の語学将校として硫黄島作戦などにも参加、戦後は情報将校として日本に進駐している。退役後は外交官として再来日し、東大大学院で平安文学を学んだという。源氏物語の英訳は75年。そのほか、川端康成の『雪国』や谷崎潤一郎の『細雪』などを英訳している。昨年、日本の永住権を取り、東京で暮らしていたが、今年4月、転倒して頭部を強打、その後意識が戻らず、26日逝去された。ご冥福を祈りたい。

|

« 源氏物語に見る 王朝貴族の失敗学7 気位の高い妻とうち解けられない夫(2) | トップページ | 源氏物語に見る 王朝貴族の失敗学8 衝撃!超年の差カップル誕生(1) »

NEWS」カテゴリの記事

学問・資格」カテゴリの記事

文化・芸術」カテゴリの記事

源氏物語」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 源氏物語に見る 王朝貴族の失敗学7 気位の高い妻とうち解けられない夫(2) | トップページ | 源氏物語に見る 王朝貴族の失敗学8 衝撃!超年の差カップル誕生(1) »