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源氏物語に見る 王朝貴族の失敗学6 光源氏、ロリコン疑惑浮上(2)

(昨日より続き)
◆光源氏様って、ロリコン?

少女が藤壺に似ているのも当然。彼女は藤壺の兄、兵部卿宮が忍んで通った女性との間にできた子どもだというのです。光源氏は祖母・尼君にさっそく少女を引き取りたいと伝えます。だけど、そんなこと突然いわれても尼君が困りますよね。当然「まだ子どもですから」と相手にされませんでした。

その後も手紙を送ったり、乳母子の惟光を使いに出したり、あれこれ画策しますが、ことははかばかしく進みません。そのうちに尼君が亡くなり、少女は頼る人がなくなってしまいました。このチャンスを見逃す光源氏ではありません。少女の家をたびたび訪れ、時には彼女と同じ寝床で寝ようとすることも。周囲の女房たちは「子ども相手になにを…」と気が気ではありません。

一方、少女の父の兵部卿宮、いままで放っておいたくせにどういう風の吹き回しか、彼女を引き取ることにしたようです。兵部卿宮には気の強い奥さんとその子どもたちがいます。少女の存在はじゃまだったのでいままで尼君に預けていたのですが「まあ、放っておくわけにもいくまい」ってな感じで、引き取ることにしたんでしょう。そうなると、光源氏の思うようにことが進まなくなる可能性があります。

いよいよ明日引き取られようという前の夜、光源氏は先手を打って少女を連れ出し、自分の邸・二条院に住まわせることにしました。強引な手法です。18歳という若さがなしえた無謀といえるでしょう。

それから、折に触れて光源氏と少女の楽しい生活が語られます。少女の雛遊びの相手をしたり、手習いをしたり光源氏は彼女の成長をじっと待っています。末摘花の赤い鼻を見てしまったときには光源氏が自分の鼻を赤く塗って「私がこんな顔になったらどうする?」とふざけています。少女とのエピソードは重いお話の中の清涼剤のような役割です。

少女を連れ去った光源氏を「ロリコン」と評する向きがありますが、それは違います。ロリコンというのは少女を対象にした性愛ですが、光源氏の場合、この少女は性愛の対象ではありません。光源氏の関心はあくまでも成長した女性にあります。いまは少女の成長を心待ちにしている段階。早く大輪の花を咲かせよとばかりに水をやり、肥料をやり、将来の姿を楽しみにしているところです。なので「光源氏って、ロリコンよね」という誤解は解いていただきたいのです。本日は失敗学ではありません。ちょっぴり光源氏の弁護に回ってみたくなった、というのが本音です。

※本稿は関西インターネットプレス(KIP)より転載いたしました。

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