« 源氏物語に見る王朝貴族の失敗学1 源氏物語への招待(2) | トップページ | 源氏物語に見る 王朝貴族の失敗学2 愛人を持つ条件とは?(2) »

源氏物語に見る 王朝貴族の失敗学2 愛人を持つ条件とは?(1)

「源氏物語の失敗学」、いよいよ今回から本編です。逐帖的に解説するのではなく、目に付くエピソードについて述べて行く予定ですが、ある程度は光源氏の年齢を追いかけながらお伝えしていきましょう。

◆どの女性にも文句を言わせない

さて、みなさま、つかぬ事を伺いますが、男性が愛人を持つ資格とは何か、お考えになったことがあるでしょうか。「愛人なんてとんでもない」というのはこの際、置いておいて、愛人を持つには様々な条件があります。経済力、男性的魅力、体力、コミュニケーション能力…。でも、大事なのは「どの女性にも文句を言わせない」ことではないでしょうか。

今回はそれができなかった男性の失敗の物語です。お話は源氏物語の一番最初の巻『桐壺』から。この巻はふつうに読んでるととっても退屈です。たぶん、学校の古典の時間に「いづれの御時にか、女御更衣あまたさぶらひたまひける中に」という、源氏物語の出だしを覚えさせられていやになった方も多いでしょう。そんな経験があるとおもしろいものもつまらなくなります。

まあ、この『桐壺』の巻は実際に読んでもちょっと退屈です。だけど、帝に焦点を当てて読んでいると、なかなかおもしろいものが見えてきます。通常「桐壺帝」という名前で呼ばれるこの帝には何人もの妻や側室がいました。

わかる人はわかると思いますが、妻や愛人が何人もいると男性はバランスを取るのが大変です。こちらの機嫌を取ればあちらの機嫌が悪くなり、こちらをかわいがれば、あちらの怒りが爆発する、という具合で、全体のバランスを取るにはかなりのテクニックを要します。

ましてや帝ともなれば、女性たちにも様々な思惑があります。帝の寵愛ひとつで子どもや一族の将来が変わるかもしれません。女性同士は当然「私こそは」と競い合いますが、そんな女性の間に立つ男性は、じょうずにバランスを取って、あちらもこちらもたてるのが、大人というもの。これが「どの女性にも文句を言わせない」ということでしょう。
(明日に続く)

※本稿は関西インターネットプレス(KIP)より転載いたしました。

|

« 源氏物語に見る王朝貴族の失敗学1 源氏物語への招待(2) | トップページ | 源氏物語に見る 王朝貴族の失敗学2 愛人を持つ条件とは?(2) »

古典文学」カテゴリの記事

文化・芸術」カテゴリの記事

源氏物語」カテゴリの記事

源氏物語の失敗学」カテゴリの記事

趣味」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 源氏物語に見る王朝貴族の失敗学1 源氏物語への招待(2) | トップページ | 源氏物語に見る 王朝貴族の失敗学2 愛人を持つ条件とは?(2) »